組紐(くみひも)とは
組物(組紐・組糸・柄糸)
組紐は編み物や織物と同じくテキスタイル技術(おおむね糸を用いて作るもの)の一つです。
3本(束)以上の糸をすでに組みあがっている方向とは逆の方向へ斜めに交差して作る
『組物(くみもの)』の一種となります。
組物は組んだもののこともいいますし、組むテクニックのことも言います。
歴史は縄文時代より以前から
なぜそこまで古いのかというと、原始時代なにかを束ねたり繋げたりするのに必要に迫られて考え出された技術だからです。これは世界各国で組物文化は発展していきました。
日本では縄文時代の一部の土器に組紐の圧痕文がみられ、古墳時代の遺跡から組紐が巻かれた刀の鞘も発見されています。
飛鳥時代では遣隋使より仏教の伝来の際、経典・巻物を纏める紐などからより高度な組物(組紐)が日本に伝わりました。
組物文化とは先に述べたとおり世界各国で発展しました。
その中でも特に日本とアンデスでは発展していきました。
何故日本で紐の文化が特に発展していったのか?
古来から日本は『結ぶ』という行為に精神的・神秘的・呪術的な特別な意味をもち、また仏具・武具・装束など生活の中で紐を活用する機会が多岐に渡っていたからだと考えられています。
それゆえ機能性と美しさを兼ね揃えた美しい組紐が数多く創り出されたのでしょう。
組む技術
組んだもの
(一応)広いもの
細いもの
刀の下げ緒・鎧などの武具関係
柄巻の紐
組物
組物
組物
組紐
組糸
柄糸
呼び名は違いますが全て同じ組物です
身近な存在なのにミステリアス
現代でもその丈夫さや扱いやすさ、緊縛性などの特徴を生かし、帯締めの他、装飾・服飾関連、素材を変えて靴ひもやベルト。スポーツ・レジャーでは登山用ザイル、パラシュート用紐類。補強目的で消防用ホースなどとして。また複合素材の補強形態としても陰日向に私たちの生活の中にある組物(組紐)ですが、その起源や発展、技術など解明されていない面が多いのも特徴です。
組紐と聞いて思い浮かべる方も多い『丸台』さえも、いつ頃考案されたか判然としていません。江戸時代初期頃~中期の女性が組み上げ式の丸台を組んでいる絵図が一番古い資料です
(現在の丸台は組みあがったものが下に出来ていく組み下げ式)
起源や発展、技術などが未だ解明されていない面が多い理由
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日本は多湿で素材が朽ちやすいので現存する遺品が少ない。
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性質上主役ではなく、付属品や消耗品なので朽ちたら取り換えられてしまう事が多い。
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難しい技術は口伝・秘伝、門外不出であった為、記録に残されていることが殆んどなく、推測や推量せざる得ない状態。
参考資料:『組紐と組物』歴史・用途・製作方法・原材料